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中学校の教科書改訂について

中学校の教科書改訂について

2020.12.02

塾長からのメッセージ

来年度(2021年度)は、中学校の教科書が改訂される年です。

文部科学省による学習指導要領の改定に伴い、小学校の教科書は今年度(2020年度)から、中学校の教科書は来年度から、高等学校の教科書は再来年度(2022年度)から新しくなります。

今日は教科書改訂について、
(1)各教科の学習内容の主な変更点
(2)三八地区の中学生に関係すること
を中心にお話しします。

学習指導要領 各教科の主な変更点

学習指導要領は、約10年ごとに改訂されています。
各教科の主な変更点について、最も大きな変更となる ①英語、すでに先行実施されている ②数学・③理科、そして ④社会・⑤国語 の順にみていきます。

英語

「仮定法」「感嘆文」など文法事項が増える

If I were a bird, I could fly to you.
もし私が鳥だったら、あなたのもとに飛んでいけるのに。

高校英語で暗誦文として覚えさせられた「仮定法」が、新課程では中3の内容になります。
ちょうど今ぐらいの時期に進学校の高校1年生が学習するところです。

このほか、感嘆文、現在完了進行形、比較(twice as ~ as, two years younger than ~ )、原形不定詞なども中学に降りてきます。
これらは高校生でも苦労する項目で、大学入試でも問われて結構間違えるところです。

これだけでもかなり大変ですが、中学生の英語はさらに大きく変わります。

英語で話す力、書く力が求められる

いわゆる「4技能」のうち、「話すこと」の領域が「やり取り」と「発表」に分けられ、話す力の比重が大きくなります。

また、現在でも定期テストや課題で自由英作文、条件英作文が出題されていますが、知っている文法や単語を使って英語で文を書く力が今まで以上に求められます。

単語数がおよそ2倍になる

中学英語では、小学校で扱う600~700語に加えて、1,600~1800語の単語を扱うことになります。
現行過程では中学3年間で1,200語程度だったので、中3までに扱う単語数はおよそ2倍に増えます。
文法も単語も増えて、さらに熟語などの表現もたくさん覚える必要があります。

中1からどんどん進む

従来の中1英語は、アルファベットから始まり、1学期はせいぜい ”I am ~.” ”What do you have?” などごく基本的な内容まででした。
多くの学校で1次考査や2次考査は平均点が80点を超える状況でした。

しかし、小学校で英語(外国語)が教科化されたこともあり、中1の内容も大きく変化します。
小学英語をある程度以上理解できていることを前提として、始めからそれなりのペースで授業が進むことになり、1学期のうちに出遅れてしまう生徒が多くなるかもしれません。

数学

主な変化

小学校から中学校に移動するのは「素数」(小5→中1)のみ。
逆に、平均値、最頻値、中央値、階級など「データの活用」の内容は中1から小6に移動します。
このあたりは、中学生でもなかなか定着しないところで、小6で扱うのはなかなか厳しいように思います。
「データの活用」分野は最も変化が大きいところです。
そのほか「図形」分野で、中2の用語に「反例」が追加されます。

「データの活用」の重視

中1で「累積度数」、中2で「四分位範囲」「箱ひげ図」が追加されます。
「統計的な確率」も中2から中1に下がり、高校数学と同様、「データの活用」重視の傾向が見てとれます。
中1で理解するのが難しかった「誤差・近似値」「有効数字」が中3に移動したのは、学ぶほうも教えるほうも助かりますが、「データの活用」の内容は全体的に低学年化していて注意が必要です。

理科

学習内容の再編成

「物理」「化学」「生物」「地学」の各分野の内容を整理して、再編成されました。
中1→中2→中3の流れで学びやすい順番になったと思います。

中1では厳しかった「圧力・大気圧」(中2)や「水圧・圧力」(中3)が後ろの学年に移動しました。
生物も、中1で「動植物のからだのつくり」、中2で「動植物のからだのはたらき」を分けられてすっきりしました。

社会

歴史重視、地理減少

社会科には「地理」「歴史」「公民」の3分野がありますが、配当時間が歴史は5時間増の135時間、地理は5時間減の115時間となります。
それに合わせて、教科書の章立ては大きく変わることになりそうです。

地理では、「時差」を中1で扱うことになります。
計算方法の習得は大変ですが、早いうちに世界全体をイメージできるようになるのはプラスだと思います。

歴史は、「ギリシャ・ローマの文明」「モンゴル帝国の拡大」などの世界史分野が補強されるようです。
高校と同様、時系列による縦のつながりだけでなく、世界の各地域との横のつながりも重視されます。
また、主権者教育を目的とした民主政治の歴史に関する内容も扱われます。

公民は、「領域」や「政治参加」のほか、現代社会に見られる課題が事例として扱われます。
「情報化」「人工知能」「防災情報」などのほか、「持続可能な開発目標(SDGs)」のような新しい考え方も出てきます。

国語

「情報の扱い方」新設

国語では、「情報の扱い方」の項目が新設されています。
大学入試共通テストで、新たに「実用的な文章」が扱われ、図表やグラフ、写真などの資料や複数の文章を読んで答える問題が想定されています。
好むと好まざるとにかかわらず、高校入試や中学国語もそのような形に変わっていく可能性があります。

また、国語以外の教科で学習内容が増えることに伴い、それを読み解く土台となる国語力がこれまで以上に重要になってきます。

教科書の出版社が変わる

文部科学省のホームページでは、「教科書採択の方法」として、以下の記述があります。

6.教科書採択の方法
1)採択の権限
 教科書の採択とは、学校で使用する教科書を決定することです。その権限は、公立学校で使用される教科書については、その学校を設置する市町村や都道府県の教育委員会にあります。また、国・私立学校で使用される教科書の採択の権限は校長にあります。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/gaiyou/04060901/1235091.htm

ということで、八戸市内の市立中学校はすべて同じ教科書を使うことになります。
また、三戸郡内は全町村の町立・村立中学校で同じ教科書を使います。

八戸市は理科が変わる

国語数学英語理科地理歴史公民
2016年度~2020年度光村啓林三省学図東書東書東書
2021年度~光村啓林三省東書東書東書東書

八戸市は、理科の教科書が 「学校図書」から「東京書籍」に変わります。
新中2生と新中3生は、途中で教科書会社が変わることになりますが、そのことによる影響はあまりないと考えています。

三戸郡は英語が変わる

国語数学英語理科地理歴史公民
2016年度~2020年度光村東書三省学図東書東書東書
2021年度~光村東書東書学図東書東書東書

三戸郡は、英語の教科書が「三省堂」から「東京書籍」に変わります。
これは、新中2生と新中3生にとって、ちょっとした変更です。
教科書のページ構成なども変わり、三省堂版に出てくる登場人物とも会えなくなります……
塾としても、八戸市と三戸郡で英語の教科書が異なると、準備が少々大変になります(もちろんしっかり対応します)。
上述のように、英語は学習内容も大きく変わります。
積み残しをつくらないよう、2021年度は特に英語に重点を置いて勉強する必要があります。

八戸市と三戸郡で出版社が異なるのは、これまでは数学だけでしたが、2021年度からは数学、英語、理科の3教科になります。

2021年度から、教科書も学習内容も変わります。
特に新中1生(現小6生)の英語は、これまでとはまったく違ったものになります。
どの学年も、いま習っているところをしっかり自分のものにして、次の学年に備えたいところです。

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