2021.02.05
塾長からのメッセージ
1月30日・31日に実施された大学入試共通テストの第2日程試験の平均点の中間発表がありました。
難易度の違いを気にしていた人も多いかもしれませんが、今回は第2日程の中間結果について考えてみたいと思います。
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まずは第1日程との平均点の違いから確認しておきましょう。
下の表を確認してみましょう。
科目 | 第1日程受験者数 | 平均点 | 第2日程受験者数 | 平均点 |
国語 | 197,922 | 116.05 | 481 | 103.28 |
日本史B | 59,734 | 66.06 | 104 | 56.83 |
世界史B | 39,319 | 65.79 | 67 | 50.25 |
数学IA | 147,209 | 59.20 | 341 | 35.05 |
数学ⅡB | 131,092 | 62.85 | 280 | 32.29 |
物理 | 62,094 | 58.89 | 145 | 49.89 |
化学 | 73,013 | 52.80 | 160 | 36.43 |
リーディング | 212,804 | 60.35 | 505 | 51.40 |
リスニング | 210,365 | 57.23 | 487 | 51.32 |
全科目ではありませんが、上記のような結果となりました。
第2日程の方が全体的に大きく点数が下がっているように見えます。しかし、得点調整は行われない方向との発表がありました。
さて、みなさんはどう思われましたか?
平均点だけを見ると、確かに難化しているように感じます。
ですが、平均点が下がる要因は問題の難化以外にも存在します。
まず、圧倒的に受験者母数が違います。
そして、その母数内の学力層が見えません。例えば、東大や京大、早慶MARCHを目指していて平均90点以上を狙うような受験生が多い場合と、90点平均を狙う層が少なく、70点平均を狙う受験生が多い場合とでは、たとえ難易度が同じでも平均点は変わります。実際に第2日程では最高点が満点でない科目も複数存在していました。(国語・地歴・公民・数学など)
全く同じ受験者で数字を出すことが出来れば難易度比較もしやすいですが、そうもいきません。数字だけを鵜吞みにするのではなく、他の要素も考慮しながら、情報から正しく考える癖をつけましょう。(これは昨今のコロナに関する数値でもそうかもしれませんね)
もちろん難化した可能性がないという訳ではありません。
平均点が下がる要素には
・問題が難化した
・受験者の学力層によるもの
などがあることをお伝えしました。
では、実際の問題難易度はどうだったのでしょうか?
まず、数学IA・ⅡBにおいてはやや難化したと言えそうです。IAは試行調査の問題により近づいている印象を受けました。第1日程ではⅡBが解きやすい感じでしたが、第2日程では決して取り組み易いとは言えないものでした。
化学・物理では図やグラフが多く使われている、日常に寄り添った問題が多く出題されるというあたりは、第1日程と似た内容となっています。思考力を試される問題が多く、難しく感じた受験生もいたかもしれません。
ということで、理系科目は実際にやや難化した部分もあるようです。
では、文系科目はどうでしょうか。
理系は難化したと感じるものもあるようですが、文系科目はどうでしょうか。
全部を解いてみた感想は、第1日程と同じく時間がかかる問題だ、ということです。使われている単語は難しいものが多いというわけではなく、大問6の一部を除いては文意を取りにくいかなと感じる部分は少なかったです。複数の箇所を参照して答えることや、文だけではなく図なども意識する必要がある部分に関しても第1日程と同じでした。私自身が全体を解いてみてかかった時間は第1日程の問題とほぼ同じです。センター試験よりはやはり長くかかってしまいます。これは文法や整序作文といった短時間で解ける問題が減っているため必然的かもしれません。
難易度という意味では第1日程の問題とほぼ同じくらいでしょうか。
以前のブログでもお伝えしましたが、来年以降受験を控えている皆さんは正しく速く読むこと、またスキミングやスキャニングを効果的に使うなどして全体的な英語力の向上を狙わなくてはなりません。また、 fact と opinion 問題では国語の力を活かすこともできますので、どちらの力も伸ばすことを目指した勉強を心がけましょう。読む量はやはり多いですので、80分間読み続けることが出来る力も実践練習の際には意識してください。
続けて現代文にも触れてみたいと思います。
まず何よりも、「よりセンター試験に近かった」という印象でした。漢文の最後には資料問題が1題ありましたが、現代文だけを見た印象では「センター試験です」と言われて目の前に広げられても疑うことはなかったであろう構成でした。こちらも難化したとは言いにくく、むしろ古文・漢文を除いた現代文に限って言えば解きやすい部類に入るとさえ思います。
論説・小説ともに最後の問題は教師や生徒の会話内で全体をまとめるような問題でしたが、似たような形式はセンター試験にもありました。
また、設問は論説では「横線部説明」、小説では「心情理解」が中心となっており、比較的オーソドックスな設問設定だったと思います。
一つだけ変化の特徴を挙げるとすれば、「各選択肢の分量が増えた」ことでしょうか。特に論説の方は選択肢を読むのに時間がかかった受験生も多かったかもしれません。
とは言え、第1日程同様「契約書などの実用的な文章」「詩などの文学的文章」の出題もなく、それらの準備をしていた受験生にとっては若干肩透かしを食らった初年度だったかもしれません。
それでも、来年以降は見直しも考えられます。どんな文章形態であったとしても正確に読み取る練習は継続して行いましょう。
センター試験から変わって初の共通テストがひとまず終了しました。あと1回特例追試は残されていますが、これにはセンター試験の問題が充てられることになっているようです。ということで、実質この2回分が共通テストのベースと言っていいでしょう。
来年以降受験の皆さんはこの2回分には必ず目を通すこと、また年に数回行われるであろう模試に挑戦すること、そしていくつかの出版社から出されている予想問題集などに取り組むことによってしっかり対策した上で受験に臨む態勢を整えましょう。
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